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家族​の​ため​に | 子育て

かんしゃくを起こしたら

かんしゃくを起こしたら

現実​の​問題

2​歳​に​なる,あなた​の​お子さん​が,思いどおり​に​なら​ない​と​泣きわめき,反り返っ​て,手足​を​ばたつか​せ​ます。あなた​は,『この​子​は​正常​な​の​だろ​う​か。親​と​し​て​の​接し方​が​間違っ​て​いる​の​だろ​う​か。やがて​は​かんしゃく​を​起こさ​なく​なる​の​だろ​う​か』と​心配​に​なり​ます。

しかし,お子さん​が​かんしゃく​を​起こさ​ない​よう,しつける​こと​は​でき​ます。では​まず,要因​と​なっ​て​いる​事柄​に​つい​て​考え​ましょ​う。

なぜ​そう​なる​の​か

幼い​子​に​は,自分​の​感情​を​抑える​と​いう​経験​が​あり​ませ​ん。その​こと​自体,時折​かんしゃく​を​起こす​一因​と​なる​場合​が​あり​ます。しかし,それ​だけ​で​は​あり​ませ​ん。

子ども​が​2​歳​頃​に​経験​する​変化​に​つい​て​考え​て​み​ましょ​う。その​子​は,生ま​れ​た​時​から,必要​を​すべて​親​に​満たし​て​もらっ​て​き​まし​た。泣け​ば,親​が​飛ん​で​来​て,『病気​な​の​か​しら。ミルク​が​欲しい​の? あやし​て​もらい​たい​の? おむつ​を​換え​て​欲しい​の?』と​考え​て​くれ,泣きやむ​ため​に​必要​な​こと​は​何​で​も​し​て​くれ​まし​た。赤ちゃん​は​全く​親​に​依存​し​て​いる​の​ですから,それ​は​ふさわしい​こと​でし​た。

しかし​子ども​は,2​歳​ぐらい​に​なる​と,親​から​前​の​よう​に​は​世話​し​て​もらえ​ない​こと​を​感じ取り​ます。なぜなら,親​が​子ども​に​従う​より,子ども​が​親​に​従う​こと​を​求め​られる​よう​に​なる​から​です。物事​が​その​よう​に​変わる​と,2​歳​児​は​その​変化​を​快く​思わず,必ず​抗議​し​ます。かんしゃく​を​起こす​の​です。

やがて​子ども​は​一般​に,親​が​単に​世話​を​し​て​くれる​人​で​は​なく,教え諭す​人​で​ある,と​いう​こと​に​気づき​ます。望ましい​の​は,「親​に​従順」で​なけれ​ば​なら​ない,と​いう​点​を​理解​する​よう​に​なる​こと​です。(コロサイ 3:20)それ​まで​の​間,子ども​は​度々​かんしゃく​を​起こす​の​で,親​の​辛抱強さ​が​極限​まで​試さ​れ​ます。

どう​すれ​ば​よい​か

思いやる。子ども​は,小さな​大人​で​は​あり​ませ​ん。自分​の​感情​を​抑える​経験​が​ない​の​で,思いどおり​に​なら​ない​と​過剰​に​反応​し​て​しまう​場合​が​あり​ます。状況​を​子ども​の​立場​から​見る​よう​に​努め​ましょ​う。―聖書​の​原則: コリント​第​一 13:11

穏やか​さ​を​保つ。子ども​が​かんしゃく​を​起こし​た​場合,親​が​かっと​なっ​て​も,事​は​収まり​ませ​ん。できる​だけ​感情​的​に​なら​ず​に​対処​し​て​ください。なぜか​ん​しゃく​を​起こし​て​しまう​の​か​を​思い起こせ​ば,穏やか​さ​を​保ち​やすく​なり​ます。―聖書​の​原則: 箴言 19:11

毅然​と​し​た​態度​を​示す。子ども​が​何​か​を​せがん​で​かんしゃく​を​起こす​度​に​親​が​言いなり​に​なる​なら,子ども​は,何​か​欲しく​なる​と​また​かんしゃく​を​起こす​でしょ​う。ですから,“だめ”と​言っ​たら“だめ”な​の​だ,と​いう​こと​を​穏やか​な​態度​で​示し​て​ください。―聖書​の​原則: マタイ 5:37

なぜか​ん​しゃく​を​起こし​て​しまう​の​か​を​思い起こせ​ば,穏やか​さ​を​保ち​やすく​なる

辛抱​する。かんしゃく​を​起こす​こと​が​急​に​なくなる,と​期待​し​て​は​なり​ませ​ん。もし​これ​まで​子ども​が,かんしゃく​を​起こし​て​自分​の​思いどおり​に​し​て​き​た​の​で​あれ​ば​特に,そう​言え​ます。しかし,親​が​ふさわしい​一貫​し​た​対応​を​すれ​ば,かんしゃく​を​起こす​こと​は​少なく​なり,やがて​は​全く​なくなる​でしょ​う。聖書​が​述べ​て​いる​とおり,『愛​は​辛抱強い』の​です。―コリント​第​一 13:4

次​の​こと​も​試し​て​みる​こと​が​でき​ます。

  • 子ども​が​かんしゃく​を​起こし​始め​た​なら,その​子​を(可能​なら)抱き締め​て,手足​を​ばたつか​せる​の​を​優しく​抑え​ましょ​う。怒鳴りつけ​て​は​なり​ませ​ん。その​子​の​興奮​が​収まる​の​を​待っ​て​ください。やがて​は,かんしゃく​を​起こし​て​も​無駄​だ​と​いう​こと​を​悟る​でしょ​う。

  • かんしゃく​を​起こし​て​いる​時​に​連れ​て​行く​部屋​を​決め​て​お​き,『泣きやん​だら​出​て​来​て​も​いい​よ』と​言っ​て,そこ​に​居​させ​ます。

  • 人々​の​いる​所​で​かんしゃく​を​起こし​た​なら,人目​に​つか​ない​所​へ​連れ​て​行き​ましょ​う。みっともない​から​と​いう​だけ​で​わがまま​を​聞き入れ​て​は​なり​ませ​ん。もし​そう​する​なら,かんしゃく​を​起こせ​ば​欲しい​もの​は​何​で​も​得​られる,と​思い込ま​せ​て​しまう​こと​に​なる​から​です。