本ほん当とうの友とも達だちは信しん頼らいでき，頼たよりになります。仲なかの良よい兄きょう弟だいのように，特とくに大たい変へんな時ときに親しん身みになって支ささえ続つづけてくれます。

 「真しんの友ともはどんな時ときにも愛あいを示しめす」。この表ひょう現げんは，「友ともはいつも愛あいを示しめす」とも訳やくせます。この表ひょう現げんの「愛あい」に当あたるヘブライ語ごは，誰だれかに対たいする気き持もちや感かん情じょう以い上じょうのものを意い味みしています。それは自じ分ぶんより相あい手てを大たい切せつにする愛あいで，行こう動どうに表あらわれます。（コリント第だい一いち 13:4-7）このような愛あいがあれば，誤ご解かいが生しょうじたり，生せい活かつの中なかでストレスを感かんじることがあっても，互たがいに離はなれてしまうということはありません。すぐに進すすんで許ゆるすこともします。（格かく言げん 10:12）友とも達だちに何なにかいいことがあった時ときにねたましく思おもったりしません。むしろ，一いっ緒しょに喜よろこびます。（ローマ 12:15）

 「真しんの友ともは……苦く難なんの時ときに頼たよれる兄きょう弟だいである」。この格かく言げんは，絆きずなが非ひ常じょうに強つよい兄きょう弟だいがいるという事じ実じつに基もとづいています。それで，大たい変へんな経けい験けんをしている友とも達だちのためにできることを何なんでもしてあげるなら，相あい手てにとって実じつの兄きょう弟だいや姉し妹まいのような友ともになることができます。さらに，そのような友ともとの絆きずなは難むずかしい状じょう況きょうになっても弱よわくなることはありません。むしろ，互たがいへの愛あいと尊そん敬けいが深ふかまるので強つよくなっていきます。

 「格かく言げんの書しょ」は，読よむ人ひとに考かんがえさせる，簡かん潔けつな表ひょう現げんを使つかって，とても深ふかい知ち恵えを伝つたえています。「格かく言げんの書しょ」のほとんどの部ぶ分ぶんをソロモン王おうが書かきました。ソロモンは，韻いんを踏ふまないヘブライ語ごの典てん型けい的てきな詩しの形かたちで書かいており，似にた考かんがえや違ちがう考かんがえを並ならべる形けい式しきをとっています。一いち例れいとして格かく言げん 17章しょう17節せつでは，同おなじような考かんがえを並ならべており，後こう半はん部ぶ分ぶんが前ぜん半はん部ぶ分ぶんを強きょう調ちょうしています。また別べつの例れいとして，格かく言げん 18章しょう24節せつは対たい照しょう的てきな考かんがえを並ならべて比ひ較かくし，このように書かかれています。「互たがいを傷きずつける友ゆう人じんもいれば，兄きょう弟だい以い上じょうの絆きずなで結むすばれる友とももいる」。

 格かく言げん 17章しょう17節せつを書かいた時とき，ソロモンは父ちちダビデとサウル王おうの息子むすこヨナタンの深ふかい友ゆう情じょうについて考かんがえていたかもしれません。（サムエル第だい一いち 13:16; 18:1; 19:1-3; 20:30-34，41，42; 23:16-18）ダビデとヨナタンは実じつの兄きょう弟だいではありませんでしたが，兄きょう弟だい以い上じょうの絆きずなで固かたく結むすばれていました。ヨナタンは年とし下したの友ともダビデのために，自じ分ぶんの命いのちを危き険けんにさらすことさえしました。 a

 「友ともは常つねに愛あいし，難なん儀ぎの時ときに兄きょう弟だいとなる」。（「基き礎そ英えい語ご聖せい書しょ」[英えい語ご]）

 「友ゆう人じんはどんな時ときにも愛あいし合あうもの。兄きょう弟だいは苦くるしみを分わかち合あうために生うまれる」。（「聖せい書しょ 原げん文ぶん校こう訂ていによる口こう語ご訳やく」，フランシスコ会かい聖せい書しょ研けん究きゅう所じょ訳やく注ちゅう）

 「友ともはいずれの時ときにも愛あいする，兄きょう弟だいはなやみの時ときのために生うまれる」。（「口こう語ご訳やく」，日に本ほん聖せい書しょ協きょう会かい）

 「箴しん言げん」（「格かく言げんの書しょ」）の紹しょう介かいビデオをご覧らんください。