誤ご解かい: 安あん息そく日びは神かみが創そう造ぞうの7日か目めに休やすんだ時ときに制せい定ていされた。

 事じ実じつ: 聖せい書しょには，「神かみはその第だい七なの日かを祝しゅく福ふくして，これを聖せい別べつされた。神かみがこの日ひに，そのすべての創そう造ぞうのわざを終おわって休やすまれたからである」と書かかれています。（創そう世せい記き 2:3，「口こう語ご訳やく」，日に本ほん聖せい書しょ協きょう会かい）この聖せい句くは，人にん間げんに対たいする律りっ法ぽうに言げん及きゅうしているのではなく，創そう造ぞうの7日か目めに神かみが行おこなわれたことを示しめしているにすぎません。聖せい書しょには，モーセの時じ代だいより前まえにだれかが安あん息そく日びを守まもっていたという記き述じゅつはありません。

 誤ご解かい: イスラエル人じんは，モーセの律りっ法ぽうを与あたえられる前まえから安あん息そく日びの律りっ法ぽう下かにあった。

 事じ実じつ: モーセはイスラエル人じんに次つぎのように述のべました。「わたしたちの神かみエホバはホレブにおいてわたしたちと契けい約やくを結むすばれた」。ホレブとはシナイ山さん周しゅう辺へん地ち域いきのことで，この契けい約やくに安あん息そく日びの律りっ法ぽうが含ふくまれていました。（申しん命めい記き 5:2，12）安あん息そく日びに関かんしてこの時ときイスラエル人じんが経けい験けんしたことは，安あん息そく日びが彼かれらにとって新あたらしいものだったことを示しめしています。もしイスラエル人じんがエジプトにいた時ときにすでに安あん息そく日びの律りっ法ぽう下かにいたなら，安あん息そく日びは，神かみが言いわれたように，エジプトからの救きゅう出しゅつを思おもい出ださせるものとなったでしょうか。（申しん命めい記き 5:15）さらに，イスラエル人じんが，7日か目めにはマナを拾ひろわないようにと命めいじられたのはなぜでしょうか。（出しゅつエジプト記き 16:25-30）また，安あん息そく日びを破やぶった最さい初しょの事じ例れいを，どう扱あつかってよいか分わからなかったのはなぜでしょうか。―民みん数すう記き 15:32-36。

 誤ご解かい: 安あん息そく日びは永えい遠えんの契けい約やくなので，今いまでも守まもるべきだ。

 事じ実じつ: 確たしかに，幾いくつかの聖せい書しょ翻ほん訳やくでは安あん息そく日びが「永えい遠えんの契けい約やく」となっています。（出しゅつエジプト記き 31:16，「口こう語ご訳やく」）しかし，「永えい遠えん」と訳やくされているヘブライ語ごの言こと葉ばは，「不ふ確かく定ていな将しょう来らいにまで続つづく」ということを意い味みする場ば合あいもあり，必かならずしも永えい遠えんを指さすわけではありません。例たとえば，聖せい書しょはイスラエルの祭さい司し職しょくを説せつ明めいするのに同おなじ語ごを使つかっています。しかし，祭さい司し職しょくは2000年ねんほど前まえに神かみによって廃はい止しされました。―出しゅつエジプト記き 40:15。ヘブライ 7:11，12。

 誤ご解かい: イエスが安あん息そく日びを守まもっていたのだから，クリスチャンも守まもるべきだ。

 事じ実じつ: イエスが安あん息そく日びを守まもったのは，ユダヤ人じんとして生うまれ，モーセの律りっ法ぽうに従したがう義ぎ務むがあったからです。（ガラテア 4:4）イエスの死し後ご，安あん息そく日びを含ふくむこの律りっ法ぽう契けい約やくは取とり去さられました。―コロサイ 2:13，14。

 誤ご解かい: クリスチャンであった使し徒とパウロも安あん息そく日びを守まもった。

 事じ実じつ: パウロが安あん息そく日びに会かい堂どうへ入はいったのは，ユダヤ人じんと一いっ緒しょに安あん息そく日びを守まもるためではありませんでした。（使し徒と 13:14; 17:1-3; 18:4）むしろ，当とう時じの習しゅう慣かんに従したがって，会かい堂どうで良よいたよりを宣のべ伝つたえるためでした。当とう時じは，よそから訪おとずれた話はなし手てが，崇すう拝はいのために集あつまった人ひとに話はなしをするよう頼たのまれることがあったのです。（使し徒と 13:15，32）パウロは安あん息そく日びだけではなく，「毎まい日にち」宣のべ伝つたえました。―使し徒と 17:17。

 誤ご解かい: クリスチャンの安あん息そく日びは日にち曜よう日びだ。

 事じ実じつ: 聖せい書しょには，週しゅうの最さい初しょの日ひである日にち曜よう日びを休きゅう息そくと崇すう拝はいのために充あてるように，とクリスチャンに命めいじる箇か所しょはありません。初しょ期きクリスチャンにとって，日にち曜よう日びは他たの曜よう日びと同おなじく仕し事ごとをする日ひでした。「国こく際さい標ひょう準じゅん聖せい書しょ百ひゃっ科か事じ典てん」（英えい語ご）はこう述のべています。「日にち曜よう日びが安あん息そく日びの特とく徴ちょうを帯おびるようになったのは，4世せい紀きに入はいってからだった。[異い教きょう徒とのローマ皇こう帝てい]コンスタンティヌスが，ある種しゅの仕し事ごとを日にち曜よう日びに行おこなってはならないという布ふ告こくを出だしたのである」。 a

 では，日にち曜よう日びが特とく別べつな日ひであることを示しめしていると思おもえる聖せい句くについてはどうでしょうか。聖せい書しょには，使し徒とパウロが「週しゅうの最さい初しょの日ひ」である日にち曜よう日びに仲なか間まの信しん者じゃたちと食しょく事じをした，という記き録ろくがあります。しかし，パウロが翌よく日じつに出しゅっ発ぱつすることになっていたので，それは当とう然ぜんのことでした。（使し徒と 20:7）似にた例れいとして，幾いくつかの会かい衆しゅうは，救きゅう援えん活かつ動どうのために「週しゅうの初はじめの日ひ」である日にち曜よう日びごとに基き金きんを取とり分わけておくよう指し示じされました。これは，個こ人じんが予よ算さんを立たてる上うえで実じっ際さい的てきな提てい案あんだったにすぎません。募ぼ金きんは集しゅう会かい場じょうで集あつめられたのではなく，家いえに蓄たくわえておかれました。―コリント第だい一いち 16:1，2。